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デンマークは企業が新しい瓶を生産する時に、税金をとることで古い瓶の競争力を高めています。
課税率は、1本新しい瓶をつくると2クローネ(約30円)。
古い瓶を洗って使えば、そんな税金を納めなくてよいため、企業にとってもリターナブルは「お得」になっているのです。
日本人から見て、缶飲料を禁止したデンマークは、便利さを犠牲にしているとみえるかもしれません。
しかし、この国の断固としたごみ対策は、地下水を守るためという明確な目的があります。
飲料水をすべて地下水でまかなうこの国は、埋め立てごみを減らし、排水をしっかり管理することが国民の健康を守ることだと認識しているのです。
人間の体は3分の2が水で、占められています。
おおげさでなく、水の安全を守ることが命を守ることにつながります。
最近、日本でも海や川の汚染だけでなく、ごみによる地下水汚染が報告されるようになってきました。
デンマークのごみ対策は、有害ごみの回収や埋め立てごみに対する課税など、日本でも参考にすべきことが他にもたくさんあります。
これまでに導入された例でいえば、デポジットが導入されると回収率は70%から90%になります。
ごみ減量効果としては、たとえばカリフォルニア州のリデンプション制度では、導入1年後で散乱ごみは42%減少し、ミシガン州では飲料容器の17%が散乱ごみになっていたのが、
すべての飲料容器に10セントのデポジットを掛けることによって、施行後8年で散乱ごみの割合は4%まで、下がったと報告されています。
デポジット制度の導入を検討する場合には、回収コスト、処理費用がどうなるかという点は大変重要なポイントです。
1993年3月に報告された調査(株)佐野環境・都市計画事務所「リサイクルのための経済的手法に関する調査報告−デポジット制を中心とする回収方式の検討とコストの分析」と、
94年4月環境庁から報告された、『リサイクルのための経済的手法について』(報告書)所収)の報告をかいつまんで紹介しましょう。
逆流通方式預り金も容器も通常の流通ルートを逆流していくもっともシンプルなしくみです。
小売店・回収センター方式デポジッ卜制の方式別処理費用額で容器の受け取りは小売業者がおこない、小売業者からの回収や再生資源業者への売却は回収センターがおこないます。
回収センターは、人口50万人に1カ所としています。
回収ポイン卜・回収センター方式では消費者が預り金の払い戻しを受ける場合は、最寄りの回収ポイントに持ち込んで払い戻しを受け、払い戻しを受けない場合は自治体回収ルートに乗せるという2つのルートを作ります。
自治体回収に回した場合、消費者は払い戻しは受けられず、自治体が回収センターに持ち込んだときに自治体に支払われます。
回収ポイントは回収センターの委託によりスーパー、ガソリンスタンド、酒屋などおおむね1小学校区に1カ所の割合で設け、回収、払い戻しを代行し、手数料を1 個1〜2 円取るものとしています。
デポジット額としては、2円から5円を想定しています。
また回収ポイントと自治体回収の各回収量を1対1としています。
この3つの方式について回収率を90%としてコスト算定をしたのです。
自治体のびん、缶、ペットボトル処理費用が560億円から680億円と推計して、これが各方式でどのくらい減額されるかが検討されています。
逆流通方式では、自治体の費用は70億円と一挙に10分の1近くに激減します。
また返却されない預り金の総額は、たとえば預り金を10円とすると330億円となり、これを小売・卸売段階のコストと、自治体の未回収分処理費にあてると総コスト(730億円)は半分近くまで減ります。
次に小売店・回収センタ一方式でも、自治体の未回収分処理分処理費は70億円となり激減します。
回収ポイント・回収センタ一方式のミソは分別回収した自治体が回収したものを回収センターに持ち込んでデポジット額の返却を受けることです。
この額は回収率90%の場合300億円と計算されています。
そうすると、この方式でかかる自治体の回収費の250億円は全てまかなえるということになります。
これらのどの方式でも、未返却預り金に自治体の預り金返却分を加えることによって、自治体の回収費はいずれのばあいでもゼロになります。
ただし逆流通方式では小売店・却売段階のコスト、小売店・回収センター方式では小売店段階のコストと回収センターの運営費、回収ポイン卜・回収センター方式では回収ポイント・回収センターの運営費がかかり、未返却預り金だけではまかなえません。
しかしこれらの費用は、本来メーカーが負担すべきであったのに、今まで負担してこなかった処理費用ということができます。
したがって、この分の処理費用は再資源化された商品や製品価格への上乗せなどの形で負担されるべきものです。
経済学者はデポジットをどう考えているかデポジット制度というのは、経済学的にはどういう意味をもつのでしょうか。
むずかしい議論があるようですが、要するに、デポジット制度で空き容器が回収されるのは、次の2つの要素によると説明されています。
1デポジット額の上乗せ分その容器を使った飲料の消費量が減る。
2消費者は空き容器を返却、回収する手間とデポジット額を比較して、デポジット額を受け取った方がトクと判断した分だけ、空き容器が回収される。
ただ1については、デポジット額が上乗せされても消費量がまったく変わらないことがありうるでしょう。
消費税導入で缶入り飲料が10円上げられでも消費量は減りませんでした。
また消費がデポジットのない別の容器の飲料へ転換していきその飲料全体の売上げは落ちないということもありえます。
2についてはデポジット額をある程度高くしないと、「それぐらいのデポジット額ならそのまま捨ててしまおう」となって、ほとんど効果がないということがあります。
飲料缶の投げ捨てが問題になってから、半世紀が経過していますが、解決の兆しはみられないどころか、ますます混迷の度を深めている感さえあります。
ヨーロッパ諸国ではあまり見られない散乱缶の問題が日本で問題になるということは、欧米に比べて圧倒的に多い自動販売機に対する企業責任が暖昧にされており、現行のごみ処理制度そのものに重大な欠陥があるためとしかいいようがありません。
清掃事業の根本的な改革が急務であることは明らかです。
本稿では、デポジット制度に関連した、企業責任のあり方を考えてみたいと思います。
環境保全コストを市場経済の内部費用に組み込むシステム現在、ビールびんには1本5円のデポジットがかかっていますが、デポジット制度は、消費者にとっては「捨てれば損・返せば損得なし・拾えば得」というシステムで、特別の負担はありません。
このような経済的誘引策によって廃棄物となってしまう製品を収集することができます。
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